自分の親に読んでほしかった本/著者:フィリパ・ペリー

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※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

書籍情報

タイトル

子どもとの関係が変わる

自分の親に読んでほしかった本

発刊 2023年10月18日 1版1刷

ISBN 978-4-296-11767-3

総ページ数 354p

著者

フィリッパー・ペリー

英国の心理療法士。テレビやラジオで司会をこなし、人気を博している

出版

日経BP

もくじ

  • はじめに
  • 第1章 子育ての遺産は連鎖する
    • 過去は私たちを攻撃する
    • 断絶と修復
    • 過去をどう修復するか
    • 頭の中のネガティブな声を遮断する
    • 「良い親」と「悪い親」
  • 第2章 子どもの環境を見直す
    • 大事なのは家族構成ではなく、どう暮らしているか
    • 両親が一緒に暮らしていない場合
    • 苦痛に耐えやすくする方法
    • 両親が一緒に暮らしている場合
    • 議論していいとき、いけないとき
    • 親愛の情を育むには
  • 第3章 感情に向き合う
    • 感情の扱い方を学ぶ
    • 感情をあるがままに受け入れることが、なぜ重要か
    • 子どもの感情を無視すると、どうなるか
    • 感情の断絶と修復
    • コントロールせず、共感する
    • 子どもが話せる相手になる
    • どんな感情も受け入れる
    • 「幸せ」についての思い込み
    • 無理に気を逸らされると
  • 第4章 親になるための土台をつくる
    • 妊娠
    • 「理想の妊娠」振り回されない
    • あなたはどちらの親タイプ?
    • 赤ちゃんとあなた
    • 出産計画を立てる
    • いろいろな出産体験を聞く
    • 本能に従う
    • 親子のつながりを築くための、始めの一歩
    • 親にだってサポートは必要
    • アタッチメント理論
    • 赤ちゃんのサインに敏感になる
    • ホルモンはあなたを別人にする
    • 孤独は親も苦しめる
    • 産後鬱はなぜ起こる?
  • 第5章 心の健康を育む
    • 親子の絆
    • コミュニケーションは「ギブ・アンド・テイク」
    • 最初の対話
    • 赤ちゃんとのコミュニケーション
    • 対話が難しいとき
    • 積極的に観察する
    • スマホ依存の影響
    • 人は生まれつき対話する力がある
    • 子どもだって1人の人間
    • 悪循環を断ち切る方法
    • なぜ子どもは親にくっつきたがるのか
    • 子育ての意味
    • 普段の気分を安定させる
    • 寝かしつけと大人の睡眠
    • 「ナッジ」で寝かしつけ
    • 助けるのではなく、サポートする
    • 遊ぶことの意味
  • 第6章 行動を変える すべての行動はメッセージ
    • 手本となる人物
    • 勝ち負けのゲームをやめる
    • いま目の前のことに集中する
    • 子どもに必要な4つのスキル
    • 子どもの問題行動が意味すること
    • ポジティブな時間の使い方
    • 気持ちを言葉にして行動変容を助ける
    • その説明は逆効果
    • 親はどこまで厳しくするべきか
    • 子どもの癇癪への対処法
    • 子どもがグズグズ言うときは
    • 親が嘘をつくとき
    • 子どもが嘘をつくとき
    • 正しい境界線を引く
    • 思春期の子どものための境界線
    • 青年期の子どもにどう接するか
    • 親子関係は終わらない
  • おわりに

はじめに

 私は心理療法士として、子育ての困難な側面にぶつかって悪戦苦闘する人々の相談に乗ってきました。

 仕事を通じて、親子関係がどのように機能不全を起こすのか、また、うまく機能している状態を取り戻すにはどうしたらいいかを観察する機会があります。

 関心があるのは、子どもとの関係をどう築いたらいいかです。子どもをコントロールする方法ではありません。

 本書では、親子関係をより良いもの、子どもが育つときのよりどころとして最適なものにする方法を示していきます。

どんな感情も受け入れる

 私は12歳のとき、親の友人に、幸せな子ども時代を過ごしているかと聞かれ「とくに幸せとは思っていない」と答えて、父親に怒られたことがあります。私は自分が間違っているのだろうかと思い、混乱して、自分の気持ちに確信が持てなくなりました。

 親は、自分を幸せにする物事は子どもも幸せにすると考えますが、必ずしもそうではありません。父の世界観を変えるべきだったというわけではなく、私の見て認めて受け入れる努力をすればよかったのです。

 子どもの悲しみ、怒り、不安を矯正すべきネガティブな感情として扱うのではなく、子どもについてよく知るチャンス、つながりを築くチャンスととらえるなら、親子の結びつきを深めることができるでしょう。子どもが幸せになる能力を大きく伸ばせます。

ホルモンはあなたを別人にする

 妊娠中や産後には、何もかもがそれまでの10倍ほどの強度で感じられることがあります。

 もし普段より感受性が強くなっていても、おかしくなったと思わないことです。感情が大げさになっている気がしても、それが重要ではないとか、大したことじゃないと思わないようにしてください。

 ホルモンのせいで強い感情が湧いてきたように感じますが、普段の感情が大げさになっているだけです。

 感情が強化されている状態は、赤ちゃんのニーズに敏感に反応する助けになります。

遊ぶことの意味

 乳幼児は遊んでいるあいだに集中することを学び、さまざまな物事を発見する習慣を身につけます。

 複数のアイデアを結びつける方法や、創造力を膨らませる方法を学ぶのです。遊びは創造力や仕事をするための能力の基礎になり、調査や発見の基礎にもなります。

 子どもには、精巧なドールよりシンプルなおもちゃが必要です。積み木、クマのぬいぐるみ、ハンカチ、段ボール箱で十分です。

 また、西欧の子どもは150以上のおもちゃを持っているようですが、子どもが勝手にうまく遊んでくれるわけではありません。自由な遊びも必要ですが、親と一緒に遊びたがることもあります。

正しい境界線

 愛情と境界線は誰にでも必要です。線を超えたところが限界で、冷静さを失いストレスに対応できなくなります。

 たとえば、家や車の鍵をいじられるのがいやなときは、断固として「我慢できない」と伝えます。

 境界線を引くのが難しいと感じることもあるでしょう。何回もの流産や、体外受精や、別の子との死のような悲しい出来事のあとに、長く待ち望んだ子どもがようやく生まれたような場合です。溺愛のあまり自分の限界がわからなくなってしまいます。

 子どもが遅く帰ってきたときに「10時を過ぎても外にいるなんて、おまえにはまだ早い」ではなく、「私が心配だから、10時には帰宅するようにして」と言えるような習慣をつけましょう。

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