戦略的ビジネス文章術

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 本書の狙いは「伝えるべきことを的確に、すらすら書けて、意図した結果が手に入る」ことです。実社会で必要とされる「速く、わかりやすく書く技術」とも言い換えられます。「仮見出し」「二段論法」の考え方を頭に入れれば、書くことに対する抵抗感が薄れ、どんな話題でもポイントを外さず、簡潔に書き始める力が養えます。

 結果が求められるビジネスでこそ、本書を文章術の教科書として活用して欲しいです。

書籍情報

タイトル

朝日新聞記者がMITのMBAで仕上げた

戦略的ビジネス文章術

著者

野上英文

 朝日新聞社経済部、国際報道部、ハーバード大学国際問題研究所研究員などを経てジャカルタ支局長をつとめました。そのかたわらで、文章講座を主宰し、書き方の普及と指導に力を注いでいたのです。
 特約編集者として、ビジネスに役立つ経済、DX、学びのコンテンツを監修しています。

出版

BOW BOOKS

「仮見出し」の絶対習慣

新人記者への教え
 見出しで大事なのは「仮置き」です。はじめから完璧な「見出し」をつけるのは難しいので、後から修正する前提で「仮見出し」を置くことを習慣づけましょう。

 プロの編集現場では、見出しが「ゼロ」状態を作りません。デジタルメディアでは、とりあえずの「見出し」をつけて後悔しておいて、後から情報が更新される度に見出しを変更することがあるくらいです。

 文章を思いつくままに書いて、最後になってから「見出し・タイトル」をつけるのではなく、最初に不十分でも「仮見出し」を立てておき、後から臨機応変に書き換えていきます。

 「仮見出し」を採用することは、実はとても稀です。

 しかし、目印として仮見出しを置くことで、文章の方向性が定まります。これから何を書くか考え抜く行為につながるのです。

 ビジネスにおいても「仮見出し」は応用できます。まとまりのない会議にしないために、議題に「仮見出し」をつけておくと効果的です。

仮見出しの三大ルール
1.一体、何の話だろう?
2.最も大事なニュースは?
3.ぱっと見て、話の筋がわかる短さ

結論に結論を重ねる二段論法

二段論法の原則
 リード文の「二段論法」は原則、2つの文章で書きます。結論に結論を重ねる最小限のロジックです。

 読み手のスピード重視が念頭にあります。見出しは1秒、リード文の2行は3秒、読み上げても5秒とかかりません。目と頭で、すっと理解できる最小限の分量に絞っているのです。

 読み手がこちらの土俵にあがってくれれば、その後に続く文章も読んでもらえるかもしれません。

2つの文章の関係性
1.and 順接(そして)
2.but 逆
(しかし)
3.because 理由(なぜなら)

 2つの文章の紐付けは、順接、逆接、理由、の3つに絞ってよいでしょう。逆接の場合を除いて、接続語を書く必要がありません。

エンタメの場合
結論→問かけ→結論

 エンタメの話題を書く場合は、話のオチやネタバレを後に引っ張り、読み手に期待を抱かせることを狙いましょう。

 もちろん、本文でしっかりと根拠や具体例を示して、自らが投げかけた「問い」に答えなければなりません。

トーンを定める「3A分析」

読み手から反応を得る
 Audience(読み手)とAction(期待する行動)を考えて、Atmosphere(状況)を整えます。この「3A分析」を元に、文章の狙いと達成のキーワードを考えましょう。

3A分析
Audience 読み手・聴衆…誰にWho
Action 期待する行動…何をWhat
Atmosphere 空気感…どんなトーンでHow Where

 この文章戦略は、マーケティングのフレームワークとして有名な3C分析を参考にしました。

 3A分析は、新聞や雑誌のように大衆に向けて書く文章には当てはまりません。読み手がどう受けとめるかまちまちで、予測しきれないためです。

 しかし、ビジネス文書では、書き手のメッセージが、読みての懐にしっかりと届き、キャッチボールのように反応が返ってくる印象を受けるのです。

フレームワーク(3A分析)

  • Audience(読み手・聴衆)「誰に」
    • 年齢、仕事、肩書、関係性、正確、関心、橋梁、知識、こだわり、行動パターン、言動
    • 表情や態度、服装、姿勢、話し方
    • 第一読者の他に誰の目に触れるか
  • Action(期待する行動)「何を」
    • 知ってもらいたい
    • 理解してもらいたい
    • 考えてもらいたい
    • 信じてもらいたい
    • 行動してもらいたい
  • Atmosphere(空気感・状況)「どんなトーンで?」
    • フォーマルか
    • カジュアルか
    • ざっくばらんか
    • 丁寧か
    • 親しみやすいか
    • 熱意たっぷりか

 短いメモ書きを残したり、心の中でそらんじたりして、3A分析を行いましょう。ビジネスの日常的なシーンで上手に活用してください。

書くこととは、書き直すこと

書きっぱなしはダメ
 初稿を書き終えた後に、書きっぱなしにしていないだろうか。文章を書くプロは一度書き上げることよりも、第2稿、第3稿と書き直すことに時間を割いています。

 話し言葉と違って、書いた文章は編集ができます。時間や相手が許す限り、何度でも書き換えられるのです。

 送られたメールの訂正を毎回送ってくる人はいます。メールの気軽さゆえ、いっこうにこの癖は直りません。最近はビジネスチャットでメッセージを交わす機会が増えましたが、ソフトによっては「編集済み」と履歴は残るものの、投稿後に何度でも更新できるものがあるのです。後から訂正することは、ビジネスの現場でも許容されつつあります。

 どんなプロが書く文章も、はじめから完璧に書いている人はいないということです。記事でも小説でも、初稿は未完成となります。

 20世紀アメリカの代表的な小説家ヘミングウェイは、

書くことはつまるところ、書き直すことだ

という言葉を残しています。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 文章を整える方法が、簡単に書かれている書籍です。書かれている内容を実践していくにはハードルが高めですが、ここに書かれていることを真似してやっていくことで、相手に伝わる文章を書ける力がつくと思います。

 どんなプロでも、できていないと述べられていて、自分の頭で考えて伝えたい内容を文章にするということが大切だと感じました。

 文章力を高めたいという需要が大きいと帯に書かれていましたが、この本は文章力をつける上で、本当にタメになる本だと思います。

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