不健康は悪なのか

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※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

書籍情報

タイトル

不健康は悪なのか

健康をモラル化する世界

第1刷 2015年4月10日

訳者 細澤仁、大塚紳一郎、増尾徳行、宮畑麻衣

発行 (株)みすず書房

本文組版 キャップス

印刷・製本 中央製版印刷

扉・表紙・カバー印刷所 リヒトプランニング

ISBN 978-4-622-07894-4

総ページ数 250p

著者

ジョナサン・M・メツル

アンナ・カークランド(編)

出版

みすず書房

肥満と健康のあいまいさ

Image by photosforyou from Pixabay

 健康に異議を唱えるつもりなどまったくありません。肥満と飢餓、飽食と食料不足の時代において、健康はかつてとは違ったものとなっています。

 今日、肥満体は病気と死を今にも引き起こしそうなビルボード広告として作用しているようです。しかし、生への愛着をもっているゆえに肥満が生じると考えています。

 完全に無意識というわけではなく、食事には快楽の選択によってもたらされます。このスナック、あの食事とともに自らの運命を投企することは、生の欲動と呼ぶとします。生と死の新時代におけるなじみの話です。特権階級は、よい食事、運動、休暇、睡眠に時間を割けます。消耗モードに抵抗するための資源も持っているでしょう。健康に関しては挿話的リフレッシュのようであって、肉体的長寿や社会保障の輝かしい約束を保証するわけでもありません。

母乳育児に異議

Image by Marco from Pixabay

 おっぱい育児が粉ミルクの育児より赤ん坊にとってよいとは、科学は証明しなかったのです。

 胃腸(GI)の問題を除くと、おっぱいの育児の健康への影響をめぐる証拠は、ずいぶん一定しないものです。耳、呼吸器、感染症、心臓疾患、肥満、糖尿病、認知の発達、白血病、がん、未熟児、ぜんそく、アレルギー、おねしょ、湿疹、成長痛、炎症疾患、睡眠、社会的流動性、ストレス、母子の絆といったものになってます。

 権威ある雑誌に掲載される知見では、おっぱい育児に医学的効果はないという研究もあるが、そういった結果は無視や軽視をされます。

 要するに、あいまいなのです。哺乳瓶で育てた赤ん坊は、大人になるにつれて肥満になりやすいと主張するには、その幼児期の育て方と、数年後、数十年後に起きる疾患のはじまりを打ち立てるという、ほぼ克服不可能な課題に直面しています。その結果が見いだせたとしても、おっぱい育児が健康の原因であることを意味しないでしょう。

 したがって、最近のけんきゅうでは、おっぱいか哺乳瓶か、どちらで育児をするかの決定は、赤ん坊にはほとんど影響を及ぼさないと示唆されています。

製薬プロパガンダ

UnsplashDiana Polekhinaが撮影した写真

 処方薬は市場の商品として売買されますが、医薬品のことを商品だと考えたがる人などいません。処方の決定は気まぐれや好みなどではなく科学的根拠に基づくものだと誰もが考えています。

 薬品の販売をちゅうちょなく消費資本主義の枠組の中に入れたがる人は、めったにいないのです。

 誰もが自分の精神が安らかなものであることに関心を持っているため、薬品マーケティングは偽装して広報活動を展開します。この奏者それ時代に注目が集まりすぎないように、巧妙かつ注意深く遂行されなければならないのです。

 新商品の目薬を広告するためにチャリティーイベントなどを企画することもあります。売るような広告をするわけではなく、売れるような仕掛けをつくる広報の仕方をするのが特徴です。

 ファイザーやエーザイがアルツハイマー病の進行を遅らせるための薬を販売促進させるキャンペーンを行う必要がありました。健康食品や公共広告が得意な広告代理店に依頼し、「アルツハイマー病のスクリーニング検査を受けましょう」などの広報が始まるのです。

苦痛の名

Image by Stefano Ferrario from Pixabay

 健康に異議を唱えるとは、苦痛に向き合うということです。人間は病によって苦しみます。苦痛を伴うものであろうとなかろうと、私たちは病気や障害に苦しむはずなのです。

 聴覚障がい者クラブへと歩いている若い情勢は耳が聞こえないことで苦しんでいます。しかし、その体に損傷している箇所はなく、彼女は幸せそのものです。

 いかに苦しんでいるか、でもそれなりに幸せかということを、他人に帰すことは困難です。苦痛に満ちた生が人間らしい生だと考えられることはありません。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 こういう言い方もできなくはありませんが、変な本を読んでしまいました。

 コーヒーダメ、チョコレートダメ、ほうれん草ダメ、加工肉ダメ、お菓子ダメ、甘味料ダメ、タバコダメ、お酒ダメ、健康を考えすぎてもQOLが下がる気がします。タバコやお酒などを確実に健康被害や経済被害があるけれど、多少患ってあちこちの内臓を取り外すはめになっても幸せに生きている人が大勢います。

 健康に気を使わないのは、お金がかかります。非経済的で保険などを自由にかけられる経済圏の持ち主であれば、嗜好品類を嗜んでも構わないのではないでしょうか。健康食品やフィットネスクラブなどで、健康にお金をかける必要性もほとんどないでしょう。

 この本を読みながら、プレゼントされた舟和の芋ようかんを食べています。それを、不健康だと言って食べない人生はそれはそれでイヤです。

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