言語化の魔力

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 Twitterにて独自に悩みについて調査した結果、「なかなか解決できない」人が77.4%もいたのです。4人3人が悩んでいます。

 困難な状況においても、少しでも前進しているならば、状況は改善し、悩みは徐々に軽くなっていきます。足踏み状態から一歩でも前に進むことができれば、悩みの軽減、解消につながるのです。ここに大きなヒントがあります。

書籍情報

タイトル

言語化の魔力

言葉にすれば「悩み」は消える

著者

樺沢紫苑

精神科医、作家。

 精神疾患などに関する情報などを、YouTubeなどのメディアを使い発信している精神科医の先生です。
 『学びを結果に変えるアウトプット大全』などのベストセラーの著者でも知られています。

出版

幻冬舎

「悩み」は少しずつ解消する

原因の除去は難しい
 そもそも、解決が難しいから悩んでいるので、いきなりの原因除去は不可能です。
 悩みを解消するために、根本的な原因を取り除く必要はありません。原因を改善しなくてもよい、とわかるだけで、気分はものすごく楽になります。

 原因を取り除くのは無理なので、とりあえず「やれること」を1つずつやっていきましょう。-10点を-9点にすることを目標するのです。

 たった1点でもプラスに動き出すと、「なんとかなる」感覚が得られます。-8点が-7点になりネガティブ思考がドンドン消えていくのです。

 少しずつ「解消」することなら、誰にでもできます。

 原因は保留にしたまま、やれることを、やれる範囲で、1つずつ片づけることが重要です。

コントロール感でストレスは減る

コントロール感を取り戻す言葉
●なんとかなるさ
●できる!
●やれるこいとを、やれる範囲でやっていく

 与えられている仕事に対して、自分でコントロールできていると思っている人は、ストレス値が低いことがわかっています。

 前頭前野は、考えたり、記憶したり、感情をコントロールしたりといった役割を持つ脳の司令塔です。この前頭前野から偏桃体に「言葉(言語情報)」が流れると、偏桃体の興奮が抑制される、という研究があります。

 「言葉」「言語」は、脳科学的にみて、不安を鎮める効果があるのです。「なんとかなるさ」とつぶやけば、その言語情報によって偏桃体の興奮は沈静化されます。

「なんとかなるさ」は楽観的なことばで、悲観的な感情を切り替えてくれるのです。「できる!」はドーパミンを分泌し、注意力、集中力、記憶力をあげてくれます。「やれることを、やれる範囲でやっていく」はできないことを無理してやろうとしている自分にブレーキをかけてくれる言葉です。

時間をおく

時間が傷を癒す理由
●思考の整理 じっくり考える時間
●感情の整理 感情が整理される
●効果が現れるまでの期間 足踏み状態を乗り越える
●忘れる つらい出来事も時間とともに忘れる

 一般的に強いショックから立ち直るまでには、どのくらいの時間がひつようでしょうか。

 扶養家族を亡くした205人を対象に、心理状態を追跡した研究があります。結果は「家族の死後の6カ月後と18カ月後に高いうつ状態を認めるものの、死後18カ月よりあとにはほぼ、うつ状態を認めない」と出ています。

 大切な人の死の受け止めて受容するには18カ月、つまり1年半かかるのです。しかし、2~3年かかることは稀であることもわかります。

 焦らず、「時間」というロングショットを活用することも大事です。

話すだけでガス抜き

 話すだけでいいのです。

 正統派のカウンセリングでは、相談者が自分で気づくことを重視しますから、基本アドバイスをされることはありません。

 話すことで、気付きを得ることができれば前に進めるのです。

やってはいけない「ガス抜き」

  • 悪口
  • 2週間以内に、同じ話を3回以上話す
  • ネガティブ体験の反復
  • 自己卑下

 悪口に限っては、感情が強化されてしまいます。ネガティブな体験は「流す」べきであって、「強化」してはいけないのです。

 お風呂でリラックスしているときに「あいつムカつく」、散歩していても「あいつムカつく」、布団に入ってウトウトしているときに「あいつムカつく」と生活の随所で蘇ってくることになります。

 また、短い期間に3回以上話すと、長期記憶に定着されてしまいます。楽しくない思い出を、仲間内で短い期間で同じ話をするのは避けましょう。

 「苦しい体験」は話せば話すほど、記憶が上書きされて記憶が強化されます。そう簡単に忘れることができなくなってしまい、結果として24時間自分を苦しめることになるのです。

 「自分にはできない」という言葉が、あなたの無意識を作りあげてしまったとします。そうすると、「ネガティブ思考」ができあがり、自己肯定感も下がってしまうのです。

ガス抜きの「話し方」のコツ

  1. 気軽に話す
  2. 解決しなくていい
  3. 悩みは、ちいさいうちに流していく
  4. 深刻にならない
  5. できる範囲で自己開示する
  6. 気軽に話せる友人を1人以上持つ
  7. 元気な状態でガス抜きする

「聞き方」のコツ

  1. 聞くことに専念する
  2. 助言、アドバイスは不要
  3. 共感を示す言葉を言う 「たいへんだね」「私もそう思う」
  4. 非言語コミュニケーション意識 相づち、アイコンタクト
  5. 気軽に話せる雰囲気づくり
  6. フラットな関係

感想

サイト管理人

サイト管理人

 悩みを解決する方法を簡潔に、簡単に書かれていました。

 どうしようもないことを、解決しなくていいと言われるだけで、気持ちが軽くなるのではないでしょうか。

 悩みを解決するメソッドとして、精神科医の考えを参考にされてはいかがでしょうか。

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