正義の行方/著者:木寺一孝

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※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

書籍情報

タイトル

正義の行方

発刊 2024年3月31日

ISBN 978-4-06-535560-2

総ページ数 243p

著者

木寺一孝

京都大学法学部を卒業後、NHK入局。
文化庁芸術祭賞優秀賞・ギャラクシー賞特別賞、放送文化基金賞奨励賞、など数々の受賞歴を持つ。
NHKを退社後、「ビジュアルオフィス・善」東京支社長。

出版

KODANSHA

もくじ

  • プロローグ 正義
  • 1 遺体発見
  • 2 捜査開始
  • 3 地元紙のプライド
  • 4 捜査一課長交代
  • 5 逮捕
  • 6 死刑判決
  • 7 DNA型鑑定
  • 8 目撃証言の検証
  • 9 調査報道
  • 10 警察庁長官
  • 11 終わりなき闘い
  • エピローグ 正義の行方

紹介

 このノンフィクションは、30年以上前に起きた殺人事件に巻き込まれていった人たちの「正義」をめぐる物語です。

 事件の捜査を担った警察官、被告人の妻、弁護士たち、そして新聞記者。それぞれには信じる「真実」があり、それぞれが「正義」をもっていた。

遺体発見

 通常は交通量が少ない山中の道路ですが、冬になると観光客も減少し、夕方にはほとんど車が通りません。

 八丁峠を通過していた50代の男性ドライバーが、途中で車を路肩に停めて用を足すことにしました。

 ガードレールが途切れる場所にはカーブミラーが設置されており、その下の土手には雑木林が広がっています。男性が土手に降りて林を覗き込むと、マネキンのような白い脚が見えました。見たところ幼い少女のものです。 

 一人は黄色いジャンパーを着て北側に向けて仰向けに横たわり、もう一人は白いフード付きジャンパーを着て西側に頭を向けてうつ伏せになっていました。

 どうやら、ガードレールが途切れるこの場所から廃棄されたようです。

 当時、携帯電話は普及しておらず、近くに公衆電話もなかったため、男性は急いでその場を離れ、福岡県警甘木警察署に駆け込みました。

 二人の女児が殺され、遺棄された凄惨な事件は「飯塚事件」と呼ばれるようになりました。県警の威信にかけて絶対に解決することが求められたのです。というのも、三年前の未解決事件があるからでした。

捜査開始

 事件当日、人通りの少ない峠で紺色のワゴン車が目撃されました。目撃者は森林組合の職員で、森林の現場監督や写真撮影を行っていた男性です。その証言は具体的で、特に車の詳細な特徴—マツダ製のダブルタイヤを持つモデル—が記述されています。

 三年前の「アイコちゃん失踪事件」は未解決のままで、事件に最後に関与したとされる久間三千年の名が再び浮上しました。久間は車の運転が得意で、事件現場周辺の土地に詳しいとされています。彼は紺色のマツダ・ステーションワゴン「ウエストコースト」を所有しており、このモデルはダブルタイヤが特徴です。

 事件当日の朝、久間は妻を消防署まで車で送り、その後、女児2人が行方不明になった三差路を通過した可能性がありますが、その事実は確認されていません。事件の捜査は難航しており、DNA型鑑定が新たな突破口となりました。

目撃証言の検証

 目撃者は警察の聞き取りに対して、ダブルタイヤを持つ紺色のワゴン車を目撃したと詳細に証言しています。この証言は車の色やメーカー、タイヤの特徴など20項目にわたります。この正確性を確かめるため、岩田弁護士は何度も八丁峠の現場を訪れました。

 このあたりに車が止まっていて、車と怪しい人がいて、ここを上から山林組合の人が車で通って、通りながら目撃したという。
 このあたりから、ランドセルとかを投げ捨てたとのことです。
 車がこのあたりに停まって、向こうのカーブから下りてきて、曲がってはじめて車が見えます。だから、コンマ何秒の正解です。この時間に、男性がどんな服装をしていたか、車の特徴の詳細、何もかも覚えている。しかも、2週間後でもです。ちょっと信じられない供述です。

 また、DNA型鑑定の信頼性についても問題が指摘されており、飯塚事件においても、MCT118検査法の検定能力に不備があると認識され、確定判決の段階でより慎重な評価が求められていました。

エピローグ 正義の行方

 自分が裁判員としてこの事件を裁く立場だったらどう判断するでしょうか。人が人を裁くことの重さが迫ってきます。

 誰の「真実」と「正義」に傾いたでしょう。元警察官と久間元死刑囚の妻が語る「真実」が食い違う場面もありました。

 農協職員の女性は登校する2人の女児を車から見たと証言しているが、この女児を最後に見たとされるのは当時ではなく別の日だと供述しているため、連れ去られたとされる三差路の時間と場所の目撃証言は実はハッキリしていません。

 福岡地裁での第二次再審請求審の判断は2024年中にも下されると弁護団は見ています。

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