あなたのツレはADHDなんです

※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はしがき

 メリッサはジョージと結婚してから、いろいろな点で変わりました。ジョージは、なんでも自分で解決するという男らしい姿勢の持ち主でもあったのです。自分のADHDについても学ぼうとする意欲がありました。

 30年以上にわたって精神科医を務めてきたので、ジョージとメリッサの場合のように夫婦生活が悪化したとき、だいたいどんなことが起こるかはよく見てきたのです。

 しかしメリッサとジョージは、よくある成り行きを受け入れようとはしません。自分たち夫婦が歩んでいく別の道を切り開きました。

 ふたりは壊れてしまった結婚生活を元どうりにしようと務め、バラバラになったものを組み立てていきました。不可能にも見えることをやり遂げたのです。

書籍情報

タイトル

あなたのツレは

ADHDなんです

第1刷 2016年5月1日

訳者 松本剛史

発行者 富澤凡子

発行 柏書房(株)

装丁 関原直子

DTP (株)キャップス

本文組版

印刷 萩原印刷(株)

製本 (株)ブックアート

ISBN 978-4-7601-4708-3

総ページ数 304p

著者

メリッサ・オーロフ

出版

柏書房

ADHDって何

作者: くりまん

 ADHDは脳の報酬系(ドーパンが放出されて快感が生じるところ)の調節不全の結果であるといいます。ようするに、脳の注意を司る部位へドーパミンなどの化学物質をうまく移動させることができないのです。

 この違いが、家庭や職場、学校などでの社会的圧力を受けてADHDの人の不安やうつをいった不調を生みだすことになります。

ADHDの特徴
●細かなことにじっくり注意を向けられない
●計画的に作業をするのが難しい
●作業に必要なものをなくす
●気を散らされやすい

 ADHDの特徴は、慢性的に気が散るということです。

 しかし、特徴の裏にクリエイティブ、独創的、温かい、おおらか、という特徴があります。その特性に引かれて恋に落ちる人も多いのではないでしょうか。

治療しないという判断は中立でない

Image by Gerd Altmann from Pixabay

 ADHDを治療するかどうかの判断は全面的に、ADHDを持った当人の責任です。パートナーの方は、死活問題と考えてがんがん治療するように急きたてたい気持ちになるでしょう。これは問題を大きくしてしまいかねません。

  • ADHDの治療を進めるように強く迫る
  • 治療はしないがパートナーに変わるよう強く迫る
  • 交渉次第では良くなるはずが、大事な可能性を手放しうつや怒りに落ち込む
  • 夫婦関係を終わらせる

 パートナーの大半が、慢性的な憤りを感じてしまうことが多いようです。

 リスクを背負ってでも改善に取り組む姿勢が大切です。その姿勢がパートナーにもその取り組みに加わってほしいという誘うかけにもなりまります。

 ただ薬を飲んで、改善するのを待つという治療ではありません。いろいろ試しながら、結果を測るというのを繰り返し行い、やっとADHDの症状を効果的に軽減する方策を見つかるのです。

安全だという意識を高める

Image by Tim Kraaijvanger from Pixabay

 ADHDのある人たちの多くは、頭のなかで小さな声が、つぎに何をやろうとしても失敗するかもしれないとささやきだすといいます。

 この頭の中の小さな悪魔は、周囲とのコミュニケーションが悪化するにつれて、声を大きくしていくのです。

 この声に対して最大の防御は、難しい話題をめぐってコミュニケーションをしても安全な環境をつくりだすことです。

 学習する会話、パートナーの意見の価値を認めること、言葉によるサインをつくりだすこと、5つの関心の核を使って交渉することによって、難しい話題のときも安全に、また敬意を持ってコミュニケーションできるための組織性を生みだせるのです。

安全な環境をつくりだすヒント

UnsplashAlice Donovan Rouseが撮影した写真

ヒント
●小言やいびりは、一切やめる
●ポジティブなイメージを持ち、成功したら思い出すようにする
●いっしょに過ごす時間を予定に組み入れる
●何かをやり遂げることを二の次にする
●つながりを壊さないようにしながら、自分の場所が欲しいというお互いの要求を尊重する
●会話を整理し、とくに難しいテーマを話し合う機会を別に設ける
●優先順位を設定する、今すぐ取り組まなくてはならないものは少ない
●解決しなくても良いと考えたなら、次善の策を考える
●ありがとうを言う

終わりに

 治療を受けること、普通の人と違うこと、よけいにがんばるのではなく違うやり方をすること、責めのなすり合いをしないこと、怒りのサイクルが抜け出す努力をすること、つながりを持つこと、恥と不安を知ること、いっしょに楽しみ笑うこと、変化には時間がかかることを意識しましょう。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 過去の職場に、よく財布を落としたり、「今日こんなことがあった」みたいな別の話題を振って集中できなかったり、作業の手順を飛ばしてしまったり、反対に商品を入れてしまうことがあったりと、おおらかで温かい性格なんだけれども、良くミスをしてしまい「また、やってしまった」と言う人がいました。

 発達障害があるんじゃないかと、本人に治療を進めてみたものの、あまり上手に改善することができずに、気づいたら、その人の席が無くなっていました。

 凄く軽度だし、仕事が全くできないというわけでも無かったので、わかりにくいと実感しています。なんなら認知症の人の方が判断がつくくらいです。でも、ADHDの特徴を学んでみると、全てに当てはまります。たしかに目に気力がなく離れている印象はあったけれど、普通の人と見た目ではわからないところがあるのです。

 同じミスを良くしたりすると、怒りや小言、ちゃかすなどの行動が蔓延します。そのなかでも、おだやかに良くやってくれていたなと感じるわけです。

 そんな、過去の悔やまれる出来事を思い出しながら、もっと出来ることがあったかもしれないと手に取りました。職場に同じミスをする人がいませんか。そんな人の相手の立場に立って考えられるように、少し身近なADHDについての知識を頭に入れてみてもいいのではないでしょうか。

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