わたし、サイエンスエンターテイナーになる!/著者:五十嵐美樹

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書籍情報

タイトル

わたし、サイエンスエンターテイナーになる!

発刊 2024年10月1日

ISBN 978-4-86621-490-0

総ページ数 171p

出版社リンク WAVE出版

著者

五十嵐美樹

サイエンスエンターテイナー。
NHK高校講座「科学基礎」レギュラー出演。キャリアイベントの講師としても活動し、理系女子未来創造プロジェクトプロジェクト理事を務める。

出版

WAVE出版

もくじ

  • はじめに
  • 1章 踊る毎日を虹が彩る
    • 音楽室と朝礼台
    • 虹が科学を教えてくれた
    • 楽しめるのもひとつの才能
    • 「私の進むべき道は?」 さまよう大学時代
    • ダンスと科学の軌道が重なった”ミス理系コンテスト”
    • コラム 1 日常のいたるところに、サイエンス!
  • 2章 “ダンス”と“科学”は化学反応を起こすのか
    • 虹が見せてくれたもの
    • 無人島でサバイバル?
    • サイエンスショーは可能性の宝庫?
    • 分かれていた道が一本に
    • コラム2 みんな大好き、あの食べ物について実験する!
      • 激辛カレーを完食する方法
  • 3章 サイエンスエンターテイナー、始動する
    • バターはダンスで作れます~ 「ダンシングバターシェイク」誕生秘話~
    • 実験中止!?!?! 想定外は想定内
    • サイエンスショーを作る道具たち
    • サイエンスエンターテイナーの一日
    • 頼れる実験パートナー
    • コラム3 みんな大好き、あの食べ物について実験する!
      • 600倍甘いチョコ
  • 4章 サイエンスエンターテイナー、仕事を開拓する
    • サイエンスエンターテイナーを支える8つの道具
    • 心も反応する実験ショーに
    • 育つ環境に関わらず、科学に触れるきっかけを提供したい
    • 「反省→改善」の無限ループを越えて
    • 自分の名前で食べていく
    • 前例のない道だからこそ。心の支えは、あの人
    • コラム 4 物理を駆使して、あの大技を再現!?+元素記号体操
      • アニメのあの技を再現したい!
      • 元素記号を楽しく覚えよう
  • 5章 科学を伝える舞台を作っていく
    • 学問としての「科学の伝え方」
    • 授業や受験勉強も科学との大切な出会いの場
    • オリンピックはスポーツのみにあらず ~国際科学オリンピック~
    • こどもと科学をつなぐ科学教育
    • 大学で教える私、休日の私
    • 科学もダンスも、国境を超える
    • “Will” “Can” “Must” の力
    • コラム 5 理系を選択する女性たちへ
  • 6章 「理系」の先にあるキャリア
    • 進路とは迷いながら進む道
    • 自分の「好き」を分析してみる
    • 若者・女性の進学をサポートする取り組み
  • おわりに
  • あなたもサイエンスエンターテイナーになれる!科学実験
    • 科学実験 1 生クリームをシェイクするとバターができる、水は振ったらどうなるの?
    • 科学実験 2 牛乳とお酢でできる生分解性プラスチックづくり
    • 科学実験 3 空気を切り裂くような音がする? ~オーストラリアの科学館で盛り上がった実験~
    • 科学実験 4 白色の光が虹色の帯に?
    • 科学実験 5 3色から生み出す色とりどりの色

書籍紹介

 この本は、科学への情熱とエンターテイメントの融合をテーマに、著者自身の経験を通じて科学の魅力を伝えようとする試みです。五十嵐美樹さんは、科学を身近なものにしてくれるサイエンスエンターテイナーとして知られていますが、この書籍では、彼女がどのようにしてこの道を選び、そしてそのキャリアを築いてきたのか、その過程を詳細に語っています。

科学の楽しさを伝えたい

 本書は、科学に対する愛情と興味がどのように育まれていったか、そしてそれを他者に伝えることの喜びと苦労を描いています。科学の世界はしばしば難解で理解しがたいものと感じることが多いですが、五十嵐さんは科学の知識を、ダンスや実験を通じて一般の人々にわかりやすく、かつ楽しく提供しています。彼女の物語は、科学者やエンターテイナーを目指す人々にとっては、非常に示唆に富むものでしょう。また、科学に興味を持つ子供たちや、その保護者にとっても、科学がどれほど身近で魅力的なものであるかを再認識させる内容となっています。

生活の中に科学がある

 五十嵐美樹さんの語り口は軽快で、読者を飽きさせません。科学の話題から日常の生活、そしてエンターテイメントの世界までを横断する彼女の経験は、多角的な視点から科学を捉える良い例となっています。この本は、科学が単なる勉強の対象から、生活の中で楽しむものへと変わる瞬間を描き出しており、科学への新たなアプローチを探すきっかけを提供します。読んでいて、科学への好奇心が再び湧き上がることを感じることでしょう。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

サイエンスショーは可能性の宝庫

 自分が必要とされる場を見つけられずにいた時、商業施設から声をかけていただいた。大勢の人で賑わうショッピングモールでは、サイエンスショーは素通りされることが日常です。

 なんとかして、お客様に立ち止まってもらわなければなりません。用意したのは、生クリームからバターを作る実験です。ひたすらシェイクしてその変化を見る実験ですが、これに「ミス理系」のステージ経験に基づき、ダンスを組み合わせることにしました。

 ステージでは、生クリームを入れたペットボトルをひたすら激しくシェイク!ダンス!「ダンシングバターシェイク」の誕生です。会場は大盛り上がりを見せ、この動画がX上で250万回再生を記録し、多くの人にサイエンスエンターテイナーを知っていただくきっかけになりました。

大学で教える私、休日の私

 サイエンスエンターテイナーと大学での講義や研究、その他の活動をどうやってこなしているのかと不思議に思われることがあります。やるべきことをリストに書いて、Googleカレンダーに30分刻みでスケジュールを入力しているだけです。これを継続しています。

 とても毎日が充実していると感じていますが、会う人が仕事関係に集中しているのが悩みといえば悩みです。

 2か月に1日は、まるごとオフの日を確保しています。けれど、どうしても銅山に行きたくなって、銅の生成や産出について調べ、銅山の歴史などをリサーチするうちに、休日が終わります。

 普段から「衝撃をコントロールして」「初速をこれくらいにして」「どれくらい加速させる」「このくらい溜める」など、つい物理用語で語ってしまうほど、科学愛は生活と結びついているようです。

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