伊藤忠 財閥系を超えた最強商人

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

書籍情報

タイトル

伊藤忠

財閥系を超えた最強商人

建築のクローズアップ、抽象的な眺め。

第1刷 2022年12月13日

編集協力 中田 雅久

編集担当 松本裕樹

発行 ダイヤモンド社

制作進行 ダイヤモンド・グラフィック社

ブックデザイン 遠藤陽一(デザインワークシップジン)

印刷 加藤文明社

製本 本間製本

著者

野地秩嘉

ノンフィクション作家。

 人物ルポルタージュ、ビジネス、職、芸能、海外文化など幅広い分野で執筆しています。

出版

ダイヤモンド社

巧みな目標設定

WokandapixによるPixabayからの画像

 伊藤忠が総合商社というカテゴリーのなかでトップに立ったのは、世の中の構造変化と運でしょう。丹羽宇一郎、小林栄三、岡藤正広という歴代経営者の施策が時代環境に寄り添ったからです。

 就任以来の藤岡のメッセージをみると、当初から「業界トップになる」と言っていたわけではありません。就任してから標榜したのは、「総合商社の上位3社に入る」でした。

 歴史的に三菱商事、三井物産、丸紅は天然資源に強く、伊藤忠と住友商事は非資源に強いのです。

 2015年3月期、中国の経済成長が鈍化し、サウジアラビアの原油増産などがあり、資源価格が多く下落しました。結果として伊藤忠は優位に立つことができたのです。

 非資源でナンバーワンになった後、「商社として三冠(純利益、株価、時価総額)を目指す」と目標を設定します。

 社長就任時から「商社三冠を目指す」と言っていたわけではなく、少しずつ巧みに目標を掲げて社員を奮起させたのです。

配送車を7割減らす

UnsplashMakが撮影した写真

 ファミリーマートに出資した伊藤忠が変えたのは、各舗への配送システムです。

 これまでは各店舗に1日当たり約20台の配送トラックが来ていました。各メーカーがバラバラに納品しにきていたのです。

 店はトラックが到着するたびに人が出て行って品物を受け取り、それを店内に運び込んで、バックヤードに棚に並べなくてはなりません。お客も買い物に集中できず、従業員も品出しばかりになってしまいます。

 改善策として、メーカーからファミリーマート各店舗に納品される商品の物流を整理することです。メーカーからの商品を拠点に集めて、整理してから運ぶことにしました。

 物流を整理した後は、7台にまで減らすことができています。

 セブンイレブンはメーカーに働きかけて、配送トラックの台数を減らしましたが、伊藤忠は自社倉庫を造って、問題を解決したのです。

稼ぐ・削る・防ぐ

ElasticComputeFarmによるPixabayからの画像

 伊藤忠が目指す商人道は「か・け・ふ」という独特な標語で表されています。稼ぐ・削る・防ぐの3点です。

 「稼ぐ」は営業してもうけることです。

 「削る」は経費の削減、時間と仕事の無駄を減らすことです。

 「防ぐ」は不測の事態に備えて、日頃からチェックすることです。

 伊藤忠は、削るよりも「防ぐ」を重視しています。チェックするのは人件費、経費、在庫、金利負担もろもろです。日頃から各社の状況を把握しているので、不測の事態が起こっても素早く対応できます。

 つまり、「防ぐ」とは、情報を定期的に収集し、いざという時、素早く対応することなのです。

日本復活のために総合商社がやること

Jason GohによるPixabayからの画像

 2021年財務省貿易統計(速報値)を見ると、日本の産業構造が変わったことを痛切に感じます。

 日本の輸入総額は84兆7600億円で、輸出総額は83兆910億円と、輸入額の方が約1兆7000億円多いのです。

 自動車に代わる輸出品が現れない限り、この構造は続きます。貿易収支は赤字であり、日本はすでに加工貿易の国とは言い難いのです。

 中国、インド、東南アジアのいくつかの国は成長を続け、これらの国が高い価格で資源と原料を買い占めてしまったら、日本は指をくわえて見ているしかありません。

 世界のマーケットから歓迎される商品、サービスを発掘するのは伊藤忠パーソンに課せられた使命です。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 末端にある問題を、根本から解決する施策が凄いです。なかなか資金力がないとできないことですが、資金があっても勇気がないと取り組めないかもしれません。

 春夏秋冬に耐えられる日本車は、世界でも愛されていると思います。それに、変わる実用性のあるものはないか、とのことです。

 外国人に受けがいいのは、お菓子ではないでしょうか?単価が安いから、かなり大規模に輸出展開することができなければ赤字になりそうなところです。大商社が本気を出して乗り出す事業でもない気もします。

 トゥウィンキー食べたい日本人がココにいるのに、なかなか食べられないという。真逆現象は自分自身に起きています。

 資産所得だけで生活したいと常に思っている私には、ここまでアグレッシブな商魂はありません。けれども、「か・け・ふ」を生活に転用して考えると、家計を助ける資産運用の在り方もみえてくるのではないでしょうか。

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