JR東日本の挑戦

※ 毎朝、5分ほどで読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 東日本旅客鉄道株式会社は、東北、関東、信越といった広範囲において鉄道インフレ事業を手掛けています。

 JR東日本が2017年10月に設立した「モビリティ変革コンソーシアム(MIC)」は、気候変動、少子化、高齢化などの社会問題に取り組もうとしたものです。

 地方エリアにおける移動の確保、都市エリアでの人の集中による混雑という社会課題があります。いくつもの課題を解決すべく、数々の実証実験をスタートさせました。

 MaaSに関するアプリを試したり、スマートシティの世界的な展示会における最新動向の調査、中国の交通政策や技術開発を、私自身が直接体験したのです。

 そして、その後コロナ禍が始まりました。

 リモートワークなどの急な浸透や行動様式の変化など、社会の変化も数多く表れています。そうした社会の変化に対応しながら、メンバーと共に実証実験を進めてきたのです。活動を継続できたのは、ひとえに参加メンバーの努力のたまものだと思います。

書籍情報

タイトル

新世代オープンイノベーション

JR東日本の挑戦 生活者起点で「駅・まち・社会」を創る

第1刷 2023年2月13日

編者 吾妻拓(日経クロストレンド) 

発行者 杉本昭彦

発行 (株)日経BP

発売 (株)日経BPマーケティング

装丁 小口翔平、後藤司(tobufune)

制作 關根和仁(QuomodeDESIGN)

印刷・製本 大日本印刷(株)

ISBN 978-4-296-20158

総ページ数 215p

著者

東日本旅客鉄道 入江洋

アーサー・ディ・リトル・ジャパン 原田雄介

出版

日経BP

イノベーション3.0

Image by Paul Brennan from Pixabay

 イノベーション1.0は、技術起点で考えられる発展です。成熟に伴い価値創出の余地がありません。

 イノベーション2.0は、顧客起点で考えられる発展です。既存の認識にとらわれており、狭い視野となっています。

 イノベーション3.0は、エコシステム起点のイノベーションです。生活環境に対応した、共創スタイルが主となっています。

 イノベーション3.0には、欧州で先行していカーシェアリングのようなものがあります。駅から駅へという固定概念から、バスやタクシー、自転車や自動車の相席、それらを支援する役割をもっているのです。

 ドイツの鉄道オープンイノベーション「BeMobility」では、自動車、エネルギー、公共交通、学術支援、ファンティングの5つの役割を支える多数の企業が参加しました。鉄道会社だけでは、なし得ないような成果を生み出してきたのです。

 イノベーション3.0を成功させるには、金融機関や企業を単に集めればよいというわけではありませんし、欧州の成功を枠組みだけを真似しても成功できません。

3つのWG

Image by Kaz Okuda from Pixabay

 MIC全体に関わる意思決定には「ステアリングコミッティ(運営委員会)」があり、その下に3つのワーキンググループ(WG)があります。「技能視点」「地域起点」「移動起点」という3つの視点です。

WG
技術視点
 量子コンピューター、5G、空飛ぶクルマ…etc
 先進技術の活用推進
地域起点
 ICTデータを活用した街づくり
移動起点
 移動価値の再定義

 WGごとに「テーマ勉強会」という外部講師を招いた勉強会を開きます。具体的な活動に落とし込む思考法を得ることを目的としたものです。

 この勉強会の中の「デザイン思考」は、参加者のクリエイティブティを大きく刺激しました。JR東日本が主催していることから、どうしても「鉄道」という視点に偏りがちです。そうした既成概念を破り、「ユーザー視点」を改めて感じてもらいます。

 MICへの参加企業は、入れかわりもある中で、約130社の組織が参加してます。「交通事業者」「交通車両の部品メーカー関連」「鉄道システム関連」「都市インフラ関連」「情報通信・ソフトウェア関連」「データサービスメディア関連」「金融・勝者・総合印刷関連」などです。これの分野から、起業や団体、大学などが自由意思で参加しています。

AIの案内業務

UnsplashPossessed Photographyが撮影した写真

案内AIシステムを育てる仕組み

  1. お客様が案内AIシステムにお問い合わせ
  2. お客様のお問い合わせに答えられない場合、「申し訳ございません。駅係員にお尋ねください」と返答する。
  3. サーバーにお客様との応答が記録されて、回答できなかったデータを蓄積
  4. 駅係員および商業施設スタッフが回答データを入力
  5. AIの解答精度向上

 2018年に首都圏6駅(東京駅、浜松町駅、品川駅、新宿駅、池袋駅、上野駅)およびJRh伊賀市日本系列ホテルであるホテルメトロポリタンの計24カ所で19社の「ロボット型」「サイネージ型」「チャットボット」の案内AIシステムを展開しました。

 2021年1月からは非接触型ディスプレーを用いた案内AIシステムを試験的に設定しています。

 試験期間中、約40%は駅係員を呼び出すことなく案内AIシステムで対応できました。残りの約15%が「精算」ボタン、45%が「駅係員呼出」ボタンでの問い合わせです。

 AIの精度が向上した現在、山手線池袋駅、品川駅、渋谷駅、秋葉原駅の駅改札窓口に案内AIシステム導入しており、遠隔操作でユーザーに対応できる仕組みの確立を目指しています。

MICの成果

作者: りっくん_

 BRT(バス高速輸送システム)、AI案内、観光型XRプラットフォームなど、すでに一般のお客様にご利用いただいてるソリューションもあります。

 課題解決型ソリューション技術は、現場業務のデジタルトランスフォーメーションを推進している側面も大きいでしょう。

 参加いただいている方々の対応力、適応力のおかげで、環境の変化に対応して現在に至っています。この数年間で、当初のMICという名称からは想像もつかないほど射程範囲が拡大したのです。

 振り返れば数多くの実証実験を実施、継続、実装までこぎつけたのも多数あり、総じて熱量の極めて高い活動が継続されてきました。

あとがき

 日本の社会インフラに対して、抜本的な考え方の変換が求められる時代がきます。

 今のアーキテクチャのままでは、社会が成り立たなくなっていくという、根本的で見え難い課題に対する取り組みが必要です。

 生活者目線にて社会課題の解決を共に試行錯誤し、大いなる学びと経験を共有した皆さま方との連携することは可能であると信じています。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 JR東日本のデジタル化推進の苦悩と、コロナ禍での経緯が読めます。

 AI案内で解決できない問題は、別の場所で控えているベテランの駅員さんがモニターごしに対応してくれるようになりました。運転の適齢期を過ぎた人の働き口と、働き手不足をカバーしてくれる技術でもあるように思えます。

 AIが窓口になることで、余計な人的トラブルが減ったことでしょう。しかし、終電間際の酔っ払い案件など、どうにも解決できない問題もありそうです。

 今後、どのように混雑などを解決していくのでしょうか。つねに、外部から講師を呼んで、考えぬかれているといいます。10年後の交通インフラは予想を超えて、便利なっていることでしょう。

 下にリンクを貼っておきますので、本書の購入を検討してみて下さい。

購入リンク

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