ミュージアムと生きていく/著者:大澤夏美

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書籍情報

タイトル

ミュージアムと生きていく

発刊 2024年5月15日

ISBN 978-4-86766-408-5

総ページ数 135p

著者

大澤夏美

ミュージアム愛好家。

「博物館体験」「博物館活動」の観点から、ミュージアムグッズの役割を広めている。

出版

文学通信

もくじ

  • はじめに ミュージアムとともに生きるために
  • 学芸員ってどんなふうに働いているんだろう?[もりおか歴史文化館学芸員 福島茜]
    • 【世の中には様々なジャンルのミュージアムがあります。そこで働く学芸員って、どんなふうに日々のお仕事やミュージアムに向き合っているんだろう?】
      • 保存修復に打ち込んだ大学時代
      • 自分の土俵で異種格闘技をする
      • 面白く伝え、末永く残す
      • 旅の途中に思うこと(1) 日々の勉強へのモチベーション
  • ミュージアムをテーマにした進路はどうやって探せばいいんだろう?[合同会社AMANE 小川歩美/佐々木紫帆]
    • 【いろんなきっかけでミュージアムに関わってきた人たちの話を聞きたい。進路選択のときにどうやって今の仕事に出会ったんだろう?】
      • 活用されるためのデータ作り
      • 「研究」という営みに惹かれて
      • 歴史のレイヤーを積み重ねる担い手として
      • 旅の途中に思うこと(2)「かっこいい」からつながる未来
  • ミュージアムに向き合っている人はどんなことを大切にしているんだろう?[フォトグラファー 佐々木香輔]
    • 【私たちが知らないだけで、様々な立場でミュージアムにかかわるお仕事もあるはず。実際にどんなお仕事があるんだろう?】
      • 太陽光を使った撮影の記憶
      • 写真は自分の味方になってくれる
      • 2つの役割を求める旅の途中で
      • 旅の途中に思うこと(3)誰かの宝物を尊重するために
  • 私たちにとってミュージアムはどんな存在なんだろう?[なにわホネホネ団 荻巣樹]
    • 【学びの場、癒しの場……私たちはミュージアムをどんな存在だと捉えているんだろう? どんな場所だったらもっと身近な存在になるんだろう?】
      • 良いタイミングで博物館に出会えた
      • 研究好き≠博物館好き、かもしれない
      • 博物館は自分と他人を比べない場所
      • 旅の途中に思うこと(4)ミュージアムは自分を大切にする場所
  • 今からでもできる活動ってどんなものがあるんだろう?[とびらプロジェクト 太田侑里]
    • 【仕事ではないやり方でミュージアムにかかわることができるのなら、今からでもチャレンジしたい! どんなふうに活動しているんだろう?】
      • 美術館に行くハードルを下げる役目
      • 考え方の違いを楽しむ「遊び」
      • 博物館を通じて皆に幸せになってほしい
      • 旅の途中に思うこと(5)語り合うこと、そばにいること
  • 自分の「好き」や「得意」をどうやってミュージアムにつなげたらいいんだろう?[きんたい廃校博物館 大橋一輝]
    • 【興味があること、得意なこと、好きなことがあります。でもそれをどうミュージアムにつなげて活動すればいいんだろう?】
      • 地元愛×ニッポンバラタナゴ
      • 原体験がぎゅっと詰まった博物館
      • いずれは地域の人を「博物館の中の人」へ
      • 旅の途中に思うこと(6)ミュージアムを面白がって活用する
  • ミュージアムを応援するためになにができるんだろう?[ミュージアムグッズ愛好家 大澤夏美]
    • 【今回の旅人のひとり、大澤夏美の取り組みをご紹介。ミュージアムを応援することを自分の仕事にするってどういうことなんだろう?】
      • ミュージアムを応援するために私ができること
      • コロナ禍でのミュージアムグッズの役割の変化
      • ミュージアムを舞台に「遊ぶ」ということ
      • 旅の途中に思うこと(7)もやもやを言葉にしていくプロセス
  • あとがき

書籍紹介

 私たちが日常生活の中でどのようにミュージアムと関わることができるのかを考えるきっかけを与えてくれます。

著者について

 まず、著者の大澤夏美さんについて少しご紹介します。大澤さんはミュージアム学の専門家であり、長年にわたり日本国内外のミュージアムでの研究と実務経験を積んできました。彼女の専門知識と視点は、本書の内容に深みと信頼性をもたらしています。

本書の概要

『ミュージアムと生きていく』は、以下のようなテーマについて取り上げています:

  1. 教育と社会への貢献:ミュージアムが教育機関として、また社会貢献の場としてどのような影響を与えているのかを探ります。
  2. 市民参加とコミュニティ: ミュージアムが地域コミュニティとの関わりを深め、市民参加を促進する方法についての考察。

なぜこの本を読むべきか?

『ミュージアムと生きていく』は、単なるミュージアムの紹介にとどまらず、私たちの生活とミュージアムの関係を見直すための視点を提供してくれます。以下の点が特に魅力的です:

  • 実務的なアプローチ: 大澤さんの実務経験に基づいた具体的な事例が多数紹介されており、理論だけでなく実践的な知識も得られます。
  • 多角的な視点: ミュージアムを訪れるだけでなく、運営や企画に携わる側の視点も学ぶことができ、ミュージアムの裏側を知ることができます。
  • 未来志向: デジタル技術の進化に伴うミュージアムの未来像についての考察は、今後のミュージアムの在り方について考えるヒントになります。

ミュージアムの魅力に触れる

 ミュージアムは私たちの文化や歴史を保存し、次世代に伝える重要な役割を果たしています。『ミュージアムと生きていく』を通じて、ミュージアムの新たな魅力と可能性に触れ、より深く理解することができるでしょう。この夏、ぜひ一読をお勧めします。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

学芸員として働きはじめて

 いくつかの展示会を経験するうちに、「私が面白いと思うモノやコトの魅力を他者に伝えたい」という思いが強くなりました。

 「この資料はどこがどのように面白いのか?」を説明するために、多くの人がさまざまな角度から楽しめるように、企画の初めにはあえて幅広い視点で展示を構想しています。そのアイデアを練っている時間が、私にとっては最高に楽しい瞬間です。

 私は保存修理を専門としていますが、自分の専門分野で展示企画を考えるのは難しいと感じています。だからこそ、専門外の資料である近代絵画や美術、工芸品、民俗資料、歴史資料など、あらゆるジャンルの資料を取り扱い、企画に参加しています。よほど無理な提案でなければ反対されることはないので、やりたいことがたくさんある人にとっては非常に向いている環境だと思います。

なにわホネホネ団

 なにわホネホネ団は、大阪市立自然史博物館を拠点に、剥製や骨格標本を作製するサークルです。彼らは、交通事故に遭った動物や海岸に打ち上げられた動物などの死体を標本として収集し、博物館の資料として保存しています。地域にどんな動物が生息しているのかを記録するために、動物の死体は多くの情報を提供します。その情報を調査できる形に仕上げることは、とても重要な作業です。

 活動日にお邪魔すると、生き生きとした表情でアザラシの頭骨をブラシで洗っているメンバーを見ることができます。

とびらプロジェクト

 東京都美術館と東京藝術大学が連携して指導する「とびらプロジェクト」では、市民から募集したアート・コミュニケーター(通称:とびラー)が活動しています。

 とびラーたちは美術館の案内や展示に関連したワークショップの企画を楽しんでいます。任期は3年間で、基礎講座や実践講座を通じて、美術館を舞台に対話によるコミュニケーションデザインを形成しています。

ミュージアムを応援することができた

 ミュージアムグッズ愛好家として活動を始めたのは2018年頃です。博物館で働きたいわけでも、ミュージアムグッズを作る仕事がしたいわけでもありません。それならば、自分でも応援できる仕事を作るしかないと考え、自費出版誌『ミュージアムグッズパスポート』を刊行しました。

 多くの関係者や来館者と出会うことで、自分の視野や活動の範囲が広がったと感じています。その広がりを伝えるため、専門分野の異なる方々とミュージアムに赴き、その方々ならではの視点に触れて、相手や展示への理解を深める企画にチャレンジしています。

ミュージカルとは?

 本書における「ミュージアム」とは、総合博物館、歴史博物館、美術博物館、科学博物館だけでなく、動物園、水族館、植物園、動植物園、野外博物館などを含みます。

 詳しくは文化庁の博物館総合サイトをご覧ください。

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