必ずできる、もっとできる。

※ 毎朝、5分ほどで読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 働きながら大学に進み、箱根駅伝を3回走りました。卒業後にはヤクルトに進み、4年ほど競技を続けた後、指導者になり、1995年に縁あって駒澤大学のコーチとなったのです。

 監督として、箱根駅伝で優勝8回を果たすことができました。けれど2008年から13年間、箱根駅伝で勝つことができなくなったのです。”常勝軍団”と言われたチームは栄冠から遠のき、私自身の熱意も一時的に失われてしまいました。

 そうして、試行錯誤を重ねた末、2021年、箱根駅伝でまた優勝をすることができたのです。2023年では箱根駅伝、出雲駅伝、全日本大学駅度と合わせ、史上5校目の大学駅伝3冠を達成することができました。

 年齢を重ね、企業の管理職のなかにも、以前の私のように「時代の変化に対応しなければならない」と感じていらっしゃる方もいるのではないかと思います。そんな人たちの心に何かを残せれば幸いです。

書籍情報

タイトル

駒澤大学陸上競技部から世界へ羽ばたく

必ずできる、もっとできる

第1刷 2023年2月10日

責任編集 (株)プライム涌光

発行者 小澤源太郎

発行 青春出版社

印刷 中央精版印刷

製本 フォーネット社

ISBN 978-4-413-23292-0

総ページ数 206p

著者

大八木弘明

 中学時代から陸上を始め、会津工業高校卒業後に実業団の小森印刷に就職しました。24歳で駒澤大学の夜間部に入学し、箱根駅伝は3回出場しています。大学卒業後はヤクルトを経て、1995年4月から駒澤大学陸上競技部コーチになります。
 駅伝で通算27回優勝に導きました。

出版

青春出版社

負担のかたよりのない環境作り

Image by Steve Buissinne from Pixabay

 体育会運動部では1年生は色々な雑用を任されることが多いようです。ですが、1年生の数も多くなく、彼らは入寮したばかりで生活自体に慣れていません。高校時代と比べて一気に練習量も増えるのです。受けなければならない授業の数も多いときています。そのなかで寮の仕事をするのはかなりの負担になるのです。

 思い切って寮内の仕事を1年生だけにやらせるのではなく、各学年に振り分けることにしました。練習もしっかりして、大学の授業もしっかり受けて単位を確実にとってほしいのです。

 このルール変更を告げた時、上級生たちは抵抗なくすんなりと受け入れました。今の選手たちは、昔かたぎの体育会の上下関係をあまり好んでいない者が多いようです。

 普通に仲良くし、競技力が高い者がいれば、年齢に関係なくリスペクトしています。

まずは選手に任せてみる

Image by Ingrid from Pixabay

 選手とのコミュニケーションを重視するようになると、彼も積極的に自分の意見を言ってくるようになりました。

 何を言っても空返事だけして、何を考えているかわからない選手より、こうして自分の考えを言ってくれるほうがありがたいのです。

 以前であれば、彼の考えを頭ごなしに不定したが、最近は「わかった、少しやってみろ」とやらせてみるように変えました。

 うまくいかない選手は、自分でやってみたことで感じたものがあるのでしょう。「監督の言う方法に変えます」という選手もいれば、意見を曲げない選手もいます。引くに引けなくなって、意地になってしまう者もなかにはいるのです。

 さすがにそのままにしておくわけにもいかないので、早めに軌道修正をします。練習方法の意味、どんな選手になってほしいのかを切々と説明するのです。

 選手が心から納得しない限り、心にわだかまりが残ります。

4年間での育て方ステップ

Image by Gerd Altmann from Pixabay

4年間のステップ
●1、2年生は知識を身につける時間
●入学してから2年間は、心構え、目標の立て方、練習方法、コンディション調整を学ぶ
●3、4年生は、自主性に任せる、練習メニューも自分で考える
●3、4年生は、自分なりの考えに基づいて結果を出し、成功体験を重ねる時期

 1、2年生は知識を育てる段階で、3、4年生は試行錯誤を繰り返していきます。

 3年生以降は、自分で力を伸ばしていく必要性を感じているからです。大学時代に活躍しながら、卒業後はさっぱり結果が出ないという事態を避けます。

 どれだけ、自分なりの自主性を身につけられるかにかかっているのです。

指導者は、選手の夢を叶え広げること

Image by Med Ahabchane from Pixabay

 確実に押さえておくべきポイントはある。

  • 選手たちの夢を全力で叶えてあげること
  • 選手それぞれの長所を伸ばすこと
  • 選手の短所を改善すること

 箱根駅伝を目指すといっても実際に走れるのは、毎年10人しかいません。駒澤大学に入学しても半分以上の選手はその夢を果たせずに卒業していくことになるのです。「やれるだけやった」というところまで持っていくことが大切なのだと思います。

 その結果、メンバーに入らなかったとしても、走る仲間の努力を認め、心から応援できるのです。

 また、才能ある者が学生の4年間で燃え尽きては、日本陸上界にとって悲しむべきことですし、何より非凡な才能を学生レベルでの活躍で留めてしまっては、本人にとっても不幸なことになります。

あとがき

 選手との出会い、一期一会を大切にしていかなければならないと思っています。

 人の出会いがあり、影響を受け、学ばせてもらった指導者人生だと感じています。

 私にはまだ「世界への挑戦」という見果てぬ夢もあります。世界選手権のためにアメリカ、オレゴン州に足を運び、世界のトップ選手と田澤が戦う姿を見てきた。そこで感じた興奮は何事にも代えがたく、まだこれからも夢を追い続けていきたいのです。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 道しるべや方法を説明する期間があってから、自主性を成長させ、成功体験を重ねる育て方をしているようです。

 めちゃめちゃ当たり前のことのようですが、「見て盗め」「見て覚えろ」という、ありふれてそうなことをしていません。「勝手なことをするな」という拘束も、見直して止めたとあります。

 何年も指導者としてやってきたことを、形にしたらこのような事柄になるのでしょう。生活をするなかで、色々なシーンの参考になるのではないでしょうか。

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