うちの父が運転をやめません

※ 毎朝、5分ほどで読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

書籍情報

タイトル

うちの父が運転をやめません

第1刷 2023年2月25日

発行者 山下直久

発行 (株)KADOKAWA

表紙画 和田三造

印刷 (株)暁印刷

製本 本間製本(株)

ISBN978-4-04-112820-6

総ページ数 324p

著者

垣谷美雨

出版

KADOKAWA

事故のニュース

Image by Alexa from Pixabay

 軽自動車が通学途中の小学生の列に突っ込みました。運転していた78歳の男性は軽症ですが、小学生2人が重傷を負った模様です。

 今朝のニュースの報道で高齢者ドライバーの事故が流れます。

 またか。

 「78歳なんだから、運転なんかやめればいいのに。あ、そういえば、親父も」親父も確か今年78歳だったことを思い出しました。

 田舎は都内と違って道路が空いているから大丈夫だとは思うけれど、不安がよぎるのです。

 この春、1人息子の息吹は高校生になったばかりです。不妊治療をして、やっと授かった子どもでした。

じいちゃんの運転

UnsplashelCaritoが撮影した写真

 田舎のじいちゃんに会いに行くときの話です。タクシーは5000円くらいかかり、息吹が心配してお年玉で払うと言ってくれています。

 そんなやりとりをしていると、1台の車が滑り込んできました。

 「危ないなあ。ぶつかったらどうするだ」思わず大声を出していました。

 見れば、危険な車の運転席には笑顔の父がいます。

 「親父、迎えに来てくれたのか。助かるよ」

 息吹はさっさと助手席に乗り込んでしまいました。後部座席に乗り込むと、車は急発進だったので、身体が前のめりになり事故のニュースを思い出して一気に不安になります。

 そして田園地帯に入り、急にブレーキがかかる、息吹はフロントガラスに頭をぶつけ、自分も運転席のハイバックシートに思いきりぶつけた。

 鹿野親子が道路を横切り、親鹿の後ろを3匹のバンビが懸命についてく様子が見られた。

 「親父、運転、代わるよ」と、声をかえてみた。

 「なんでじゃ?」父はバックミラー越しに睨んでいます。

 「鹿が飛び出して来たから仕方ないじゃろ。それとも何か?お前なら急ブレーキ踏まんと、そのまま鹿にぶつかるんか?」そう言うと、これ見よがしにアクセルを踏み込みました。

「運転をやめたら生活できん」

Image by sarablatter from Pixabay

 「わしは死ぬまで運転するつもりじゃ」

 「親父、冗談はやめてくれよ」

 「近所の人たちはどうしてる?免許返納した人はいないの?」

 「おるけど、ほんの一部じゃ」

 子や孫と一緒に暮らす人は、早々に免許返納するお年寄りも珍しくはないといいます。

 「運転をやめたら生活できん。死活問題じゃ」

 聞くところによると、先日、近所のおじいさんは交通事故を起こしたばかりだというのです。

 そして、村に1時間に1つ通っていた路線バスは、廃止される予定だといいます。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 結局、車を擦っても、自分が原因で他人が事故を起こしても、この親父は運転をやめませんでした。

 身内にいる人間が、高齢者の免許を返納する権利があれば、山積みになるほどの免許が返納されるのではないでしょうか。

 生活うんぬんの前に、他人の命に関わる可能性があるし、高齢者が若い人の殺してしまうのは罪深すぎると思います。自分らの生活基盤どころではない気がします。

 都内に引っ越す、家族が田舎に一緒に住む、公共サービスを使う、ネットショップを使えるようにする、犠牲にするものはあるかもしれませんが、打ち手がないわけでもありません。

 自分も親がいますので、他人事ではないのです。母の運転が危なくなるまでに、なんとか不労所得を獲得して時間を持ち、介護に当たれるような経済基盤をもちたいなとは思っています。

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