書籍「コトラーのマーケチング5.0」

※サイト管理人が興味をもった部分を紹介します。

はじめに

 マーケティングの目的は一貫して、人々の生活を向上させ、共通善に貢献することだ

フィリップ・コトラー

書籍情報

タイトル

コトラーのマーケティング5.0

デジタル・テクノロジー時代の革新戦略

著者

フィリップ・コトラー

ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学マーケティング学名誉教授。

 「近代マーケティングの父」と呼ばれ広く知られています。ウォールストリート・ジャーナル紙のもっとも影響力のあるビジネス思想家ランキングで、上位6人の一角です。

ヘルマワン・カルタジャヤ

マークプラス社の創業者で、執行役会長。AMFの共同創設者。

 イギリス公認のマーケティング協会から、「マーケティングの未来を形づくった50人のリーダー」の1人に選ばれています。

イワン・セティアワン

マークプラス社のCEO。

 経営戦略などの講演や執筆活動を行っており、Marketeersの編集長も務めています。

監修:恩藏直人 早稲田大学商学学術院教授。商学博士。

訳:藤井清美

出版

朝日新聞出版

マーケティング5.0とは何か

 マーケティング5.0とは、人間を模倣した技術を使って、カスタマー・ジャーニーの全工程で価値を生み出し、伝え、提供し、高める事です。

 AI、NLP、センサー、ロボティクス、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)、IoT、ブロックチェーンなどの組み合わせにより、マーケティング5.0を実現可能とすることができます。

 AIは購買パターンを明らかにして、適切な製品やコンテンツを推奨します。

 NLPやセンサー、ロボティクスを組み合わせれば、現場スタッフの代わりロボットが自動で動いてくれるのです。

 小売業はセンサーとIoTを使うことで、実店舗でデジタル体験を提供することができます。デモグラフィックを通じて、買い物をする前に製品を試してみることを実現します。

 これらの技術は近年、手ごろな価格で利用しやすくなっているのです。

 どんなツールを使おうと構いません。ツールを使うには使用に適切な戦略をいかに設計するかにかかっています。それを理解しているマーケターが存在していなければならないのです。

まとめ
マーケティング5.0とは、人間を模倣した技術を使い経営価値を高めること
AI、ロボティクス、VRといったものが、人間を模倣した技術である
人間を模倣した技術を理解し、適切に経営戦略に組み込めるマーケターが必要

なぜ包摂性とサステナビリティが重要なのか

 ビジネスをするにあたって、消極的な外部の性質を考慮に入れる必要があります。何十年もの積極的な成長戦略は、環境を劣化させ、社会を不平等にしてきたのです。

 活力が失われた社会では、企業は繁栄できません。

 何十億人もの人々が貧困から脱し世界中の市場が大きく成長することが、新しい成長の源泉になるのです。

 より安定した社会とサステナブルな環境の中で、ビジネスをするコストとリスクがはるかに低くなります。

 若い世代を引きつけ維持するためには、企業の価値がこれまで以上に重要です。

 従業員は不誠実な約束やご都合主義的言動をいとも簡単に見抜いてしまいます。企業は誠実さを示さなければならないでしょう。

まとめ
周りの貧困層を脱出させることで、世界の市場を大きく成長させることができる
サステナブルな環境が、コストとリスクを低くする
企業は誠実さと価値を高めていく必要がある

三段階のパーソナライズ体験を提供する

第1段階 パーソナライズされた情報

 顧客のスマートフォンのGPSを通じて、地理的位置を利用することです。近接センサーやビーコンを使いことで、地理的情報をさらに強化できます。

 小売店、空港、オフィス、学校などの限られた協会内にいるオーディエンスにメッセージを送ることを、ジオフェンシングといいます。

 近くの場所に広告を貼ることによって、自社の店舗に消費者を誘導するためにジオフェンシングは使われているのです。

 実際にジオフェンシングを使っている代表的な例は、ハンバーガーのチェーン店が挙げられるでしょう。ロケーションベースのマーケティングを行い、アメリカ全土7000箇所以上でマクドナルドとバーガーキングは陣取り合戦をしています。

第2段階 カスタム化されたインタラクション

 ポイント還元アプリ「ショップキック」は、アメリカンイーグルをはじめとする多くの小売企業と協力体制を整えています。

 お店に入ったとき、製品について知るためにバーコードを読んだとき、試着室で衣服を試着したときなどで、ポイントが還元される仕組みです。

 さらに、インターネット内で仮想空間を利用し自分の容姿に合わせたときに「相談の予約ができます」と、メッセージが送られます。

 これによって、顧客が製品を買う可能が高くなるのです。

第3段階 完全な没入

 パーソナル化の最終段階は、センサーや拡張現実の技術を用い、物理的空間で没入感が提供できるときです。

 大型のショッピングセンターなどは拡張現実を使った没入型のナビゲーションを提供しています。

 ロウズのモバイルアプリでは買い物リストに入れると、その商品までの最短距離を黄色い道で案内してもらえるのです。

 ラルフローレンというブランドメーカーでは、スマート試着室という疑似体験を提供しています。試着室に持ち込んだアイテムが即座に画面に表示されるというものです。
 顧客はその場で別のサイズや色を選ぶことができます。

 デジタル技術と物理体験は合体できるのです。

三段階のパーソナライズ体験
1段階GPSなどの位置情報を使って、消費者を誘導するように広告を出せる
2段階ポイント還元アプリでポイントを付与し、顧客の購買数を増やす
3段階物理空間でテクノロジーを使い、体験型のサービスを提供する

感想

サイト管理人

サイト管理人

 本書はマーケティングと書いてあるだけあって、専門的なフレームワークなどの図が登場し、簡単に事柄をなぞるような説明がなされているような気がします。

 文章には少々癖があり、個人的には半分ほど文章を削っても意味が通じると思ったので、わかりやすい言葉で説明して欲しかったです。

 マーケティングの部分は、表面的な部分が多かったので理解が及ばないところがあり、途中で紹介文に載せるのをやめました。

 後半部分で、実例を交えたテクノロジー活用戦略がとても面白がったので、書かせていただいた、という形です。

 デジタルビジネスの概念を、全体的に学べる本となっていました。テクノロジーがどのように経営に関わってくるのか知りたい方におすすめです。

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