古生物超入門/監修:芝原暁彦

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書籍情報

タイトル

基本から「なぜ?」まですっきり理解できる

古生物超入門

発刊 2025年3月20日

ISBN 978-4-911410-00-4

総ページ数 221p

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出版社リンク 立夏堂

監修

芝原暁彦

古生物学者、理学博士。
つくば市の産業技術総合研究所で化石標本の3D計測やVR展示などのパイオニアの1人。
産総研発venture「地球化学可視化技術研究所」を設立し所長に就任。また、東京地学協会、日本地図学科の各委員を務める。

出版

立夏堂合同会社

もくじ

  • はじめに
    • 本書で取り扱う時代について
  • 第1章 はじめての古生物学
    • 古生物学って何?古生物学と考古学の違い
    • フタバスズキリュウとフタバサウルスの違い和名と種名の話
    • 進化とは何か?進化を考える「基本のキ」
    • 「○○万年前~〇〇万年前」は、「期間」じゃない地層の年代の話
    • 絶滅の原因は謎だらけ―大量絶滅の理由
    • 「当たり前」を「当たり前」に考える論理の根幹たる「斉一説」
    • 化石から太古の地理がわかる―大陸移動説とその証拠たる化石の話
    • 《Column もっと知りたい古生物》 恐竜とは何?
  • 第2章 化石の謎
    • 冷凍マンモスも化石? 化石とは何か?
    • ざんねんな古生物”なんていない化石化のメカニズム
    • 変化がない、という〝成功者〟「生きている化石」とは?
    • 「戦いは数だよ兄貴!」は古生物学でも通用する現代文明を支える化石がある
    • 「化石の王様」は恐竜じゃない数と多様性の話
    • 《Column もっと知りたい古生物》 古生物のサイズの測り方
  • 第3章 魅力的で魅惑的な古生物たち
    • アノマロカリスは不思議生物”じゃないカンブリア 「爆発」はなかった
    • ターリーモンスターは、サカナか否か新説発表のたびに姿が変わる
    • 哺乳類型爬虫類は爬虫類じゃない哺乳類の祖先の進化について
    • スピノサウルスは二足歩行?四足歩行?―今、ホットな恐竜議論
    • ティラノサウルスの食生活を知る方法―うんこ化石に詰まっているモノ
    • 鳥類は、恐竜類の「生き残り」―鳥類の初期進化について
    • 「最大級」の恐竜が抱える謎―超大型恐竜ほど、全身の化石は珍しい
    • <Column もっと知りたい古生物≫ 恐竜類から哺乳類へ
  • 第4章 生物の進化で地球がわかる
    • 「異常巻きアンモナイト」は、“異常”じゃない
    • 恐竜絶滅の〝トリガー”は、隕石でほぼ確定。 しかし……
    • かつてクジラはオオカミのような姿で、陸を歩いていた
    • 日本で小さく進化したゾウ生息地の広さと進化の関係
    • ユニコーンの正体化石から創造された伝説
    • 温暖化の進む未来氷河期と新たな大絶滅
    • 《Column もっと知りたい古生物》大昔の気候は? 気候変動はなぜ起きるのか?
  • 第5章 もっと古生物を楽しむために
    • リテラシーを得る信用できる古生物情報の入手の仕方
    • 今日の〝正解〟は明日の〝間違い〟かもしれない―日進月歩の科学のおもしろさ!
    • 研究への2大アプローチ地質系と生物系。そして、その他
    • 地域別おすすめ博物館実は古生物大国ニッポン
    • 博物館の楽しみ方―知っておくと、もっと楽しい鑑賞のポイント
    • 《Column もっと知りたい古生物》情報との向き合い方
  • おわりに
  • もっと詳しく知りたい読者のための参考資料

書籍紹介

 この本は、古生物学に初めて触れる方でも楽しめるように、基本的な知識から「なぜ?」という疑問までをわかりやすく解説してくれます。古生物と聞くと、恐竜やアンモナイト、マンモスといった遠い昔の生き物を思い浮かべますが、それらがどんな時代に生きていたのか、なぜ絶滅したのか、どうやって現代の生物とつながっているのかを、自然に理解できる構成になっています。

 著者の芝原暁彦さんは、古生物学者として豊富な経験をお持ちで、恐竜の発掘から博物館展示の技術開発まで幅広く活躍されています。そんな専門家が、難しい話をかみ砕いて教えてくれるので、子どもから大人まで、誰でも古生物の世界に引き込まれます。鳥と恐竜の意外な関係や、大量絶滅の原因といったテーマは、読んでいて驚きと発見があって、つい人に話したくなるでしょう。

試し読み

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

ユニコーンの正体

 ユニコーンは伝説上の生き物です。ウマに似た体、割れた爪、額から伸びた角、といった姿はよく知られています。古代ギリシアやローマ時代に書かれた書物に起源があると言われています。

 ローマ時代の博物学者であるプリニウスのユニコーンは、現代で想像されるものと違っています。ローマ時代のユニコーンには優美さが感じられません。共通点はあるものの、イメージに変化があったものと考えられます。その過程で「ツノが万病に効く」「処女にしか懐かない」などの要素が追加されていったようです。

 プリニウスが書いた”博物誌”の中にユニコーンの元になった「エラスモテリウム」という古生物がいます。額に台のようなものがあり、台から一本の長いツノが伸びています。現代で言うとサイに近い雰囲気です。足はゾウのように太く、尾もイノシシに似ています。

 エラスモテリウムが生きていた時代は、新生代第四期更新世から中期とされています。私たちの先祖が既に登場していたかもしれない時代です。ご先祖はユニコーンに合っていたかもしれません。

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