復興からの自立への「ものづくり」

※ 毎朝、5分以内で読める書籍の紹介記事を公開します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 東日本大震災のあと、もとづくりを通して立ち上がろうという動きが東北のあちこちで生まれました。すでに終了したものを含めると、数百にのぼります。

 すべてを失いゼロから出発した人たちが選び取った働き方や姿勢は、これから全国の地方が歩む道を照らす灯になると信じています。

書籍情報

タイトル

復興から自立への「ものづくり」

第1刷 2019年3月6日

 笠井良子(小学館CODEX)、大橋拓哉

発行者 鈴木崇司

発行 (株)小学館

装丁 関宙明

写真 飛田恵美子、永禮賢

イラスト 溝川なつ美

発売 中山智子

宣伝 井本一郎

制作 長谷部安弘

印刷 大日本印刷(株)

製本 (株)若林製本工場

ISBN978-4-09-3885673-5

総ページ数 271p

著者

飛田恵美子

 タウン誌の編集・広告営業、街づくり会社のコンシェルジュを経て、2010年からフリーランスの編集・ライターとなりました。

出版

小学館

手仕事が前向きにしてくれる

UnsplashDipesh Shresthaが撮影した写真

岩手県宮古市、釜石市、大船渡市、陸前高田市、宮城県石巻市、東松島市のEAST LOOPの活動

 震災のショックで、ほとんど何も食べられず、口もきけなくなってしまったおばあちゃんが、手芸の活動に参加してくれました。

 数か月もすると、手芸の仕事を通して別人のように明るくなっていったのです。

 手を動かしてものをつくることには、人の心を癒やします。科学的に実証されて、医療現場にも取り入れられたらいいなと考えています。

地域の美しい風習を継ぐ

宮城県亘理郡亘理町 WATALISの活動

 亘理の人たちには、着物の端切れで仕立てておいた巾着に、お米などを入れて贈り物にする文化があります。

 ふくろがなまって「ふぐろ」と呼ばれていたものです。

 震災前に、地域のおばあちゃんたちから「ふぐろ」の話を聞きました。着物に関するお話では、嫁入り前に持参するといった内容もあり、そこに込められた想いも感じています。その着物がそのまま捨てられてしまうのはもったいないと思い、何の当もなかったけれどもらってきました。

 「ふぐろ」の習慣は今ではありません。そこで、新しい発想を取り入れていまの時代に合うように作り直して、また人の手に回っていくものによみがえらせたいと思ったのです。

 試行錯誤を繰り返していきました。裏地は木綿の無地記事、差し色に鮮やかな記事、着物地との組み合わせで、新鮮なおしゃれな印象に仕上がるようになったのです。

 感謝の心を縫い込めた商品です。大切に人から人へ手渡していきたいという想いが詰まっています。

希望のカケラ

Image by DerWeg from Pixabay

宮城県石巻市渡波 Nozomi Projectの活動

 陶器を洗浄し、タイルカッターで切り、グラインダーで削って形を整え、アクセサリーパーツをつけます。

 基本的なつくり方は、ロサンゼルスで活動するプロのジュエリーアーティスト、リサさんが渡波まで来てレクチャーしてくれたものです。

 完成したアクセサリー「希望のカケラ」は、同じ陶器から作っても、使う部分によって表情が変わるのです。上品だったり、可愛らしかったりと個性豊かに変化します。

 オンラインショップや販売パートナーを通して、40か国の人の手に渡りました。

 最初は拾い集めた陶器のカケラを加工していたのですが、活動が知られるようになると、近隣の人やリサイクルショップから食器を譲り受けるようになったのです。

 アクセサリーを身につけたとき、とてもいい顔される方がいます。たくさんの人を笑顔にできたらいいなと思うのです。

市民のためのDIY工房

Image by Anna from Pixabay

宮城県石巻市 石巻工房

 震災後の石巻には、自分で家を直したいけれど道具もスキルもない人が大勢いました。そんな中で生まれたのが「石巻工房」です。

 誰でも手に入れられる規格材を使い、誰でもつくれるように設計している家具ブランドを目指しています。

 当時、復興支援活動として仮設住宅から簡単な家具の政策を教えるワークショップをハーマンミラーは開催しようとしていました。その過程で石巻工房にたどり着いたようです。

 ハーマンミラーの職人がものづくりのノウハウを提供し、石巻工房の仲間がデザインして、仮設住宅のための家具を開発しました。

 災害時には、道具も材料もない中で何とかしなければなりません。ある程度は自分で考えてもらいたかったのです。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 どうしても、ゴミをお金にするという発想に至ると、アルミを売るという選択肢が出てしまうと思います。結構な重労働で、汚い臭い、そして見つからない稼ぎ方でしょう。

 陶器や着物、捨てられなかったけれど使い道のない物というのは、女性が色々もっています。それをアクセサリーや小物に変えて、商品化すると華やかなものになるのです。

 和小物風なものを作る方が、楽しくてやりがいがあると思います。

 実際には、アクセサリーにすると癖が強すぎて、日本人には合わないミスマッチが多々起きているようです。コーカソイド型、モンゴロイド型といった人種にちなんだ顔の形で分けられることが多く、ほとんどの人がモンゴロイド系に偏っているのでピアス、ネックレスが似合わないという問題がそもそもあるようです。外国人観光客にはウケが良いかもしれません。

 やっぱり、カバンにつけるストラップや、カバン類そのものを作った方が使いやすいという印象があります。

 和小物は光ってはいませんが、華やかな印象があります。私も小銭入れを和小物のがま口財布にして、パチンパチン鳴らし遊んでいます。

 ピンチはチャンスと言いますが、復興から生まれたビジネスから参考にできることは多いのではないでしょうか。

 下にリンクを貼っておきますので、本書の購入を検討してみて下さい。

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