RULE DESIGN

※読んだ本の一部を紹介します。

※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。

はじめに

 世の中でルールを作ったり、人々の行動を分析する際には、多かれ少なかれ数理モデルの考え方が使われています。ルールを設定する際には「このようなルールのもとでは、人はこのように行動するだろう」という想定があるのです。

 世の中のさまざまなルールを俯瞰し、分析していきます。

書籍情報

タイトル

数理モデル思考で紐解く RULE DESIGN

-組織と人の行動を科学する-

編者 清水宣晴

発行者 片柳秀夫

発行 ソシム(株)

カバーデザイン 坂本真一郎(クオルデザイン)

本文デザイン・DTP (有)中央制作社

印刷・製本 (株)暁印刷

著者

江崎貴裕

東京大学先端科学技術研究センター 先端物流科学寄付研究部門 特任行使 株式会社infonerv 創業者

 データ解析技術を自ら会社に役立てることにも挑戦しています。東京大学総長賞、井上研究奨励賞などを受賞しました。
 解析技術を武器に、統計物理学、脳科学、行動経済学、生化学、交通工学、物流科学、金融工学など幅広い分野の問題に取り組んでいます。

出版

ソシム

他人の影響をうまく活用する

AlexaによるPixabayからの画像

電気メーターの実験
 近隣の家庭の同時期の平均電気使用量を、共に各世帯に通知する実験です。
 他の家庭と比べて電気使用量が多かったグループは、短期的にも長期的にも電気使用量を減らしました。電気使用量が他の家庭より少ないグループは、電気使用量が増加してしまったのです。
 更に、電気使用量が少なかったグループには「ニコニコ笑顔マーク」をつけ、電気使用量が多かったグループには「シクシク泣顔マーク」をつけて、わかりやすくしました。すると、泣顔マークがつけられている家庭では電気量を減らし、笑顔マークがつけられている家庭では節電が維持されたのです。

 人間には「大多数が行っている行動や、他人が考える望ましい行動から逸脱したくない」という心理的な性質があります。

 「望ましい行動が何であるか」が共有されているような状況では、インセンティブや罰を設定するよりも「みんなちゃんとやっていますよ」というメッセージの方が強力に働くことがあるのです。

 逆に、望ましい行動やルールを守っている人の割合が低いというメッセージは逆効果になりえます。投票率、献血数、募金などの応じる人が少ないという報道は、慎重に検討したうえで行うとよいでしょう。

時間的な乖離

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

日本の少年犯罪の厳罰化
 刑事処分を16歳以上から14歳以上に引き下げ、少年院に送致できる年齢を従来の14歳以上から12歳以上に引き下げました。
 また、18歳以上の「特定少年」については1年以上の懲役または禁錮相当の事件について原則検察官送致となる厳罰化が進んでいます。
 犯罪抑止や再犯防止が求められている結果です。

 アメリカの研究結果では、厳罰化された少年の再犯率は高くなり、より重い罪を犯す傾向にあると認められています。アメリカの隔週で少年の年齢制限を引き上げたり、条件を限定したり、量刑を軽減したり、といった法改正の流れにつながっているようです。

 非行少年の再犯率が高まった原因はルールデザインが想定してる時間が短いことにあります。社会復帰が困難になることが考慮されていないのです。

 広い範囲で起こることや長い時間で起こることを、事前に純分に検討しつくすことは非常に困難になります。

 最初から完璧なルールデザインを目指すのではなく、ある程度試行錯誤を前提とした考え方が必要になるでしょう。

意思決定を支援するAI

Photo MixによるPixabayからの画像

難民の就労
 世界で8930万人もの人々が紛争や迫害などを受け、地域を追われています。難民の生活を再建するうえで重要なのが、「その地域で職を得ることができるかどうか」です。
 出身国によって、地域で受け入れやすいかどうかが分かれます。最も相性の良い地域を受け入れ先に選べば、難民が安定した生活を手に入れることができ、受け入れる国も生活支援のコストを削減できるのです。
 スイスとアメリカでAIを導入した難民の受け入れの研究をしました。このアルゴリズムを用いることで全体で40%~70%程度の就労を改善できたとあります。

 AIはデータから「役立つ特徴」をとらえ、我々の意志決定を効率化する、非常に高いポテンシャルを秘めています。

予測の方法

Diggity MarketingによるPixabayからの画像

予測の方法
帰納的予測
過去の知識や経験に照らし合わせて、今回も同様のことが起こるという前提に立って行う予測のこと
●過去の知識・経験が予測の時点でも正しいという前提
●予測したい対象が過去の知識・経験でカバーできる範囲にある
演繹的予測

前提となる仮定から論理的に推論する予測のこと
●論理展開が正しい
●前提とされている仮説が全て正しい

 機械学習モデルになっているのは、帰納的予測です。データからパターンを抽出しています。このようなモデルですと、「なぜ、そのような予測が行われたのか」を人間が理解すること難しいという特徴もあるのです。

 「昨年度の営業成績で1000件の販売実績がある」と「今年は平均して10%ほど販売が増えている」という事実から推測して、「今年は1100件ほど販売できるだろう」と演繹的な予測を行うことができます。演繹的予測の場合、予測の信頼性やリスクをある程度わかった状態で意思決定するのです。

 ルールデザインを行う際には、同じような状況について参照できるデータや事例があるのであれば、それを用いて帰納的な予測を行うのが良いでしょう。

感想

サイト管理人

サイト管理人

 社会や生活に関わるルール作りの失敗例を、図案を眺めながら楽しく読ませていただきました。知識があると、解決する引き出しが多くなる気がするのです。

 失敗するモデルを無くしたいという思いで作られた書籍になります。数々の失敗例から学べることがあるのではないでしょうか。

購入リンク

※amazonの商品リンクです。画像をクリックしてください。

(Visited 5 times, 1 visits today)
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です