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目次
書籍情報
さあ、本屋をはじめよう
町の書店の新しい可能性
発刊 2024年6月7日
ISBN 978-4-910511-75-5
総ページ数 184p
和氣正幸
本屋ライター。本屋のアンテナショップ BOOKSHOP TRAVELLER の店主。
2010年よりサラリーマンを続けながら、インデペンデントな本屋をレポートするブログ「本と私の世界」を解説し活動を開始、2015年に独立。(現 bookshop lover)
Pヴァイン
- まえがき
- BOOKSHOP TRAVELLER
- 狭さにこそ価値がある 和氣正幸
- 第一章 町で本屋をやってます 様々な本屋経営を知る
- フラヌール書店 久禮亮太
- なタ書 藤井佳之
- 本屋ルヌガンガ 中村勇亮
- シカク 竹重みゆき
- ON READING 黒田義隆
- 独立書店の勃興~本屋ライターの個人史①~和氣正幸
- 第二章 私が本屋を開くまで 準備から継続まで
- BOOKSHOP本と羊
- 機械書房
- mountain bookcase
- そぞろ書房
- twililight
- アルスクモノイ
- 本屋象の旅
- FOLK old book store
- READAN DEAT
- YATO
- ひるねこBOOKS
- WARP HOLE BOOKS
- あたらしい本屋の形~本屋ライターの個人史②~和氣正幸
- 第三章 本から本屋を考える 本屋をめぐる状況を知ろう 和氣正幸
- 街の本屋の生存探究、あるいは本の生態系について
- 本を読む、あるいは読まなくなった理由について
- 棚貸し本屋の現在
- 本屋をはじめたいと思ったら
書籍紹介
書店の未来を見据えた革新的な視点
和氣氏は、自身の経験と洞察をもとに、現代の町の書店が直面する課題とその解決策を提案しています。オンライン書店やデジタル化が進む中で、町の書店がどのようにして生き残り、さらには地域社会に貢献する存在となるのかを具体的に示しています。本書では、以下のようなトピックが扱われています。
- コミュニティとの結びつき: 書店を地域コミュニティの中心に据え、地元の文化やイベントと連携する方法を紹介。町の書店が単なる本の販売場所から、地域の情報発信拠点となるアイデアが展開されています。
- 独自の魅力を持つ書店作り: どのようにして個性的な品揃えや店内装飾で他の書店と差別化を図るかについて、具体的なアドバイスが満載です。顧客との関係を深めるための工夫や、新たなビジネスモデルについても言及されています。
- デジタル時代との共存: オンライン販売やSNSを活用したプロモーション戦略など、デジタルツールを駆使して現代の消費者にアプローチする方法を解説。
実践的なアドバイスと成功事例
和氣氏は、単なる理論にとどまらず、実際に成功した事例を豊富に紹介しています。これにより、読者は自分自身の書店経営に役立つ具体的なヒントを得ることができます。ま
書店経営を目指す人へのエール
本書は、これから書店を始めようとする人や、既存の書店をより魅力的にしたいと考える人にとって、まさに必読の一冊です。和氣氏の情熱と知識が詰まったこの本は、書店経営の新しい可能性を切り開く力強いメッセージを伝えています。読者は、この本を通じて、書店が持つ無限の可能性に気づき、自分自身のビジョンを実現するためのインスピレーションを得ることでしょう。
試し読み
※そのままの文章ではありませんが、試し読みする感覚でお楽しみください。
家具を作って店をはじめよう フラヌール書店
お店の営業は「予約制」というスタイルを取りました。商売をしたことがないので、古本屋で生計を立てられるとは思っていませんでした。奇をてらったわけでもなく、極めて現実的に考えて選んだ営業スタイルです。
しかし、結果は驚くべきものでした。普段は本屋に通わない人たちまでもが「予約制」という言葉に惹かれ、普段なら来ないような人たちが店を予約して来店するようになったのです。そして「予約制の本屋」が定着してしまいました。バイトをすべて辞めて本屋の仕事に専念できるほど成功しましたが、それでは取り柄のない古本屋になってしまいます。
開業して18年目の今も、当時と変わらず、必要のないバイトをしながら古本屋を営んでいます。みんなが探しているタイトルが見つからないなどのがっかりする毎日がたまらなく面白いです。明日はどんな人が店にやって来て、どんなリクエストに応えられないのか。50歳を前にしても、そんな日々を送っています。
予約制の本屋 な夕書
お店の営業は「予約制」というスタイルを取りました。商売をしたことがないので、古本屋で生計を立てられるとは思っていませんでした。奇をてらったわけでもなく、極めて現実的に考えて選んだ営業スタイルです。
しかし、結果は驚くべきものでした。普段は本屋に通わない人たちまでもが「予約制」という言葉に惹かれ、普段なら来ないような人たちが店を予約して来店するようになったのです。そして「予約制の本屋」が定着してしまいました。バイトをすべて辞めて本屋の仕事に専念できるほど成功しましたが、それでは取り柄のない古本屋になってしまいます。
開業して18年目の今も、当時と変わらず、必要のないバイトをしながら古本屋を営んでいます。みんなが探しているタイトルが見つからないなどのがっかりする毎日がたまらなく面白いです。明日はどんな人が店にやって来て、どんなリクエストに応えられないのか。50歳を前にしても、そんな日々を送っています。
本を読まなくなる
本を読まない中高生を対象とした「なぜ本を読むことが嫌いになったのか」というアンケートの結果をまとめると、「音読で恥をかいた」「興味のない本を読まされた」「読書の必要性を教わらなかった」という理由が挙げられました。これらの理由から、彼らは義務的に押し付けられるものを好きになれないことがわかります。
「機能的読書」の行為はあまり減少していませんが、「娯楽的読書」が減少しています。読書は良いものだとされていますが、なぜ読書が良いのかについての具体的な分析はあまり行われていません。冷静な現実認識に基づいた地道な活動を行うのは大人の役割だと思います。
SNSやメディアが普及して本が売れない時代だからといって、本が読まれない時代になるとは思いません。